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 鹿児島県には、毎年数千頭のウミガメが上陸、産卵しています。これは、日本に上陸するウミガメの半数以上といわれており、鹿児島県は日本一のウミガメ上陸産卵地になっています。 薩摩川内市の海岸にも、毎年数十頭のウミガメが上陸、産卵にやってきます。産卵、ふ化シーズンには、市に委託されたウミガメ監視員さんが、上陸頭数、産卵数、ふ化数を数えたり、自然ふ化が難しい場所に産卵した卵をふ化場に移設したりしてくださっています。 また、監視員さんは、一年を通じて海岸清掃を行い、ウミガメが産卵しやすい海岸作りを行ってくださっています。特に、川内川の河口に位置する久見崎海岸では、川からの大量の竹や流木が砂浜の深いところまで堆積しているため、それらを砂の中から掘り起こすという大変な作業も伴います。

  今回、イベントを行う予定の久見崎海岸は、川内川の河口南側に位置する海岸です。2010年には、25頭のウミガメの産卵がありました。しかし、近年は3~5頭に減少しており、今年は今のところまだ上陸も産卵もありません。

 昨年まで寄田海岸にあったふ化場を、今年は久見崎海岸に移設したので、今年の久見崎海岸での自然ふ化は今のところありませんが、ふ化場からの子ガメの旅立ちはあるかもしれません。ふ化場は、久見崎海岸の南側にあります。

 

 ウミガメの産卵は5月~7月下旬の夜中に行われ、60日前後でふ化し、子ガメたちは、夜、いっせいに海に帰っていきます。子ガメは、海の明るさをたよりに海に向かって進むといわれています。そのため、別の方向に灯りがあるとそちらの方向に進んでしまい、無事に海にたどりつけない子ガメが出てきます。 昨年までふ化場があった寄田海岸でも、新たに建設された原発敷地内の建屋の灯りに向かって、海と平行に進む子ガメの姿が確認されています。

 

 今回、久見崎海岸でイベントを行うにあたり、ウミガメの旅立ちの時間と重なることを心配しましたが、イベント会場とふ化場が離れているため、そのことについては問題はないだろうという結論に至りました。

 ウミガメの産卵が多いのも、川内川の河口から離れた海岸の南側です。イベントは、河口に近い北側で行います。 久見崎海岸は、2011年の原発事故がなければ、2013年に川内原発3号機の増設工事が始まり、埋め立てられていたかもしれない海岸です。

 海岸を囲むように原発敷地があり、鉄条網が張り巡らされ、敷地内の監視カメラがこちらの様子を伺っています。

 普段はほとんど人気もなく、海水浴場やキャンプ場になっている他の海岸より静かな場所です。   現在は問題はないと考えていますが、ただ、イベントを行う際は、細心の注意を払いながら、実際に現場で音や光の出方などを確認しながら会場設営や進行を行っていく必要があることを、実行委員間で確認しました。

 イベントに参加される方、出演、出店される方は、ウミガメの事情を最優先することを、あらかじめご了承いただければと思います。

 

2015年7月21日

 

                         ウェル亀ロックフェスティバル実行委員会 一同 

 
 

 

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